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佐々木敏彦
萩殿町の家
櫓を内包する家
(S造改修工事)
施工 木樂舎+MP.SASATANI
改修前後
改修前
6
改修前後
1/9
郊外住宅地に建つ鉄骨平屋造の全面改修工事である。
敷地北側は大きく視界が開け遠くに街を見渡すことができる特徴的なロケーションにある。
構造は鉄骨平屋造で、住宅としては珍しい。先の住人が鉄骨屋を営んでいたから、自宅も慣れた手法としての鉄骨造にしたという単純な理由の様子。空き家になってかなりの時間が建つのか老朽化が進んでいたが、構造体は比較的しっかりしている。鉄骨の軸組み以外はすべて撤去し、全面改修することとした。構造体は、およそ7m×9mの四角い外壁面以外には中央部に柱が一本あるだけでシンプルな架構である。平屋とはいえ木造だとなかなかこうはいかない。造作材料をすべて取り払うと、小屋裏も含めまとまったボリュームの空間が確保できそうであることは事前に予測できた。
改修の主だったポイントは以下のようなものである。
*建物中央部に二層からなる櫓を配置することで床面積を増設し、かつ無駄な間仕切りを設置することなく室内を分節する。
*鉄骨造であるメリットを最大限生かし、小さい平面ながらも一つ屋根にゆったり包まれた内部空間を実現する。
*小屋裏も内部空間として取り込む構えとするが、櫓上段も快適(とりわけ夏場の遮熱)に使用できるような遮熱・断熱性能を確保する。
*既存鉄骨腕木を手がかりに、東側アプローチ上部に深い軒先空間を確保する。
古着屋さんを営むIさん御家族は、こだわりのビンテージ家具やインテリアグッズをあちこちに配し、初のチャレンジという薪ストーブの為の薪小屋も庭に設置して新たな暮らしをスタートさせた。
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