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中川の家

土壁の家

木造

施工  造家工房・亀井 

間口が狭く、奥行きが深い典型的都市型の敷地にあって、2間半間口で奥行き6間の2階建てに台所下屋が一部張り出しているシンプルな構えである。

できるだけ不要な化粧を割け、構造材、土壁もそのまま現しとし、2階床も踏み天井(2階床材がそのまま1階天井)とするスッピンともいえるいえづくりを目指した。

階高は必要十分な高さに押さえ、垂れ壁のない開口部とした。製作木製建具を適正高さに押さえると同時に、建具を引きこんだ際に部屋間のつながりをよりスムーズに感じさせることを意図したものである。2階は登り梁構造に沿う形でアールを付け船底天井で全体を柔らかく覆い、壁際の高さは最小限に抑えることで、適度な高さ(吹き抜は高くなりすぎると居心地が悪い)の階段吹き抜けを実現している。

 

あらゆる素材が、資本や制度によりアンダーコントロールされてしまった現代において、すまいづくりは可能な限り地産地消であることが良いと常日頃考えている。

一方でプレカットに頼らない大工に拠る手刻みはもう一つの重要なこだわりだ。 

加えて今回は施主の要望・理解もあり竹小舞 土壁にも取り組んだ。

建築が深い所で本来持つチカラを再認識することになった。

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