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佐々木敏彦
桜山の家
都心のコートハウス
RC造+木造
施工 誠和建設株式会社
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地下鉄の駅から程近い市街地にこの建物は建つ。大通りから一筋入った場所ではあるが、周辺はマンションやオフィスビルが林立し始めている。施主は、老朽化した建物の解体と同時に移転も検討したが、先代からの慣れ親しんだこの地に住み続ける決断をした。
計画の主要なポイントは次のようなものである。
1 敷地南側にあった既存樹木を生かし、現代的な庭として再構築する。
2 道路面より1メートル強高い既存宅盤を計画に生かし取り込む。
3 比較的にぎやかな周辺環境から生活を守り、光や風を取り込み、プライバシーの高い屋外リビングともいえるコートを建物の中心とする。
4 高齢の母のためアプローチも含めバリアフリーとするが、当然のことながらスロープやキャノピーが健常者にとっても楽しいアプローチとなること、またその装置が町の風景を構成することを意識して計画する。
既存建物は、老朽化したとはいえ風情溢れるものであった。改修、改築を前提に調査を進めたが、結果、解体撤去を決断し新築せざるを得なかった。そうした意味において私にとっては緊張感あふれるプロジェクトになった。竣工後普請に詳しい施主のお母さんから最大級の賛辞をいただいたことで、とりあえずは胸をなでおろしたしだいである。
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